型ガラスは不透明なガラスで製造の際ロールで型模様を押しつけています。 昭和40年代には実に多くの種類が各メーカーから続々と新発売されたようですが現在では廃板に継ぐ廃板で遂にわずか一種のみの生産となりました。 従来から住宅用には不透明ガラスの大部分がこの型ガラスを使用しています。
私がこの業界に従事し始めた昭和51年頃は他品種の型ガラスが製造されていまして、中には良い柄もあったので存続して欲しいと思った事もありましたが、
今となってはこれだけ需要が少なくなれば諦めがつきます。
網入りガラスはガラスの中に細い鉄線が入れられていまして、鉄線のパターンは菱・クロス・線の三種があります。
また型ガラスと透明ガラスがあり、透明ガラスは磨きガラスの位置にあり、他の板ガラスよりも製造コストがかかります。
使用目的は防火の為にありますが、昔は防犯目的で入れた事もありました。
もちろん防犯効果は全くありませんが、当時の防犯意識が現在と180度違ったものだったのですから。
よくお客様が云われるのは針金が入っているので普通のガラスより強いのでしょうと云う事ですが、とんでもない話です。
厚みこそ6.8ミリと厚いのですが、実際の強度は5ミリ厚のものと一緒なのです。これはガラス内部に鉄線が入る事により、
その部分がガラス内部強度を落とすので、結果的に見かけより弱くなります。
透明の網入りには10ミリ厚の製品もあります。利点があるとすれば割れたときにガラスが飛び散りにくいと云う程度でしょうか。
欠点は他の板ガラスに較べ熱割れを起こしやすい(特に熱線反射フィルム等を貼った場合等)事やガラス切断面周辺に露出したワイヤーに防錆処理なく施工されていて、
ワイヤー部分が常に水と接触していると云った条件が重なった場合は施工後数年~経過後にワイヤーの鉄錆が膨張し鉄錆がガラスにヒビ割れを発生させる事もあります。
網入りガラスの後継種にパイロクリアがありまして強化ガラスのページに紹介しています。
関西板硝子卸商業組合のリンクから
各メーカーの昔の型ガラス、私の知らない製品まで網羅 (現在は入手できません)
左は網入り型ガラスの菱タイプです。
型ガラスは単純に鉄線が入ってないだけです。しかし、どうやってガラスの中間に網を入れているのか未だに私は知りません。
普通に考えればガラスより比重が重い為沈むと思うのですがねぇ。
ドロドロの溶けたガラスじゃなく少し温度が低く柔らかい状態のところで網を入れているのでしょうね。