当店主は常にガラスの販売と施工についての姿勢はこう在りたいと実践しています。
まず、ガラスはワレモノですから割れて当然なのですが、学校や公共施設でのガラス割替え修理の際は、
不特定多数の人間が出入りする場所で頻繁にガラス破損が発生する場合において、なるべく超強化ガラス
パイロクリア (場所によっては樹脂ガラス ポリカーボネイトまたは合わせガラス) を推奨しています。
これは破損時の人体へのダメージを避ける事以外に私が常に考えているトータルでの社会コストの
負担軽減という認識を持っているからです。
初期の導入コストは普通のガラスより費用が余計に掛かるのですが、一度採用すれば将来的に渡って安全ですし、
破損の頻度が低く抑えられますので、結果的に人体に安全で低コストにつながります。
また、こういう事を述べると「ガラス修理のリピートが無くなって仕事が減るじゃないか」と仰る同業者もおられますし、
それも事実ですが、私はやはり社会のコスト負担を考えると、将来発生するであろうムダな補修コストは避けるべきで
あると思うのです。
さらに言えばガラス割れ替えの補修工事も大事な収益源の一つですが、依存度の低さもそういう姿勢に導いているのかも知れません。
一般住宅では、型ガラスが破損した時に現在は製造されていない柄などの場合、時によってお伺いしたお家で
「柄が変わるので全部を入れ替えないとダメかな?」と仰るお客様もおられます。
この場合は、お客様の強い希望でない限り、そして違和感が無い柄であると判断した私は
「そんなに違和感がありませんので割れた部分だけの取替えでいいのじゃありませんか」と申し上げる事が多くあり
その上続けて「とりあえず一枚だけ割替して、それでも違和感があるのでしたら後で全部入れ替え可能ですよ。」と
述べる事が年に何度かあります。
結果はほぼ総てのお客様が「思っていたより違和感がないので、このままでいいですわ。」となるのです。
それでお客様はムダな出費を避ける事ができます。
この様な場合には折角のビジネスチャンスなのにと内心思う事も事実なのですが、
本当に柄がアンバランスな時以外は、私の性格からか「これは不揃いになるので全部変えないとダメですね」とは、
言えないのです。
で、商売が下手だなと自嘲するときもあったりします。
ところでガラスの取替えリフォームとなると事情が変わりまして、なるべく機能性の高いものをお奨めします。
それはガラスという性質が一度はめると割れるまで取替えることが無いという前提で考えるからで、
数十年に渡ってその性能を維持したままご使用頂く事にもつながります。
真空ガラス類・ペアガラス類は メーカーが性能保証を10年という長期設定をしている背景もありまして、
ガラスはやはり非常に長期に渡ってご使用頂ける事から、初期導入時に良いものをお奨めするのです。
私がスペーシアや その他の機能性ガラスの販売に心血を注いでいる事情もその辺りにあります。
もちろんお客様には製品の紹介や提案という意味で決して無理強いをする事はありません。
施工に対する姿勢でもメーカーサイドのルールを守るべく、機能性ガラスがアルミ障子の中に溜まった水と
接触し続ける事は良くありませんので、施工時には必ず下框が排水性のものか確認し、そうでなければ排水穴を
新たに設けます。
またメーカーの施工要領にない独自の施工方法でも必ずメーカーで可否の確認をとっています。
本当にガラス製品はお住いの一部として永くご使用頂ける製品ですので、
施工数年後に発生するかも知れないトラブルはお客様にも
原因が判りませんし、 数年経過後には施工業者も責任の所在があいまいで逃れようとするかも知れません。
当店では将来にあるかも知れない原因を作らない様、そういう事がない様に常に施工面でも注意を払っています。