一昨日入荷の真空ガラス スペーシア、本日は町内です。奥様は出窓の結露で毎朝の結露水の拭き取りに難儀しているとの事でした。
出窓ですから女性にはガラス面に手が届きにくいのですね。当店の広告で”結露のお悩みスペーシアで解決”をご覧になりお電話頂きました。
現調で拝見致しますと、出窓の床テーブルに観葉植物が並んでいましたので、余計にガラスの結露を拭き取るのがやりにくそうです。
スペーシアのカタログを提示の上いろいろ製品説明を申し上げ、内窓も効果がありますが内窓を閉め切りますと観葉植物の蒸散が問題になりますので内窓の場合は観葉植物を置かない方が良いと思いますと申し上げました。
スペーシアと内窓の両方をお見積り致しまして、その晩にスペーシアでのご用命を賜りました。
出窓は結露の発生する条件が良いため単板では結露発生が不可避ですが、スペーシアにしても室内の環境湿度が高いと北面の出窓は特に要注意で、スペーシアの裾の辺りで結露する可能性はありますと申し上げるより他ありません。
しかし、それでもバスタオルで拭き取らねばならないほどの結露は先ず発生しないでしょうとの説明に納得されたようです。
出窓両袖のスペーシアは細長いFixになっていますためシーリングでガラスを支持しますが、外の気温と室内の気温に差があり室内でガラスのバックアップ止め作業をしていると外套ジャンパーを着ていると暑いくらい暖房が効いていました。
ところがバックアップ中に内外の温度差が大きいためスペーシアが熱反りしてサッシ溝に対してガラスのセンターが狂うのです。
スポンジのバックアップ材ではスペーシアの熱反りは止りませんのでゴム系のバックアップ材でスペーシアをしっかり固定してからのシーリング作業になります。しかし高断熱って云うのはガラスの片面で熱膨張するものですから逆に言うとそれだけ断熱性能が高い証拠です。
施工マニュアルにしたがって金属ヘラを避けて、竹ベラでのシリーリング成型の模様を写した場面です。
ところで一般的な空気層の或いはガス層のペアガラスが片面熱膨張で板反りって言うのは余り聞きませんが、実際はLow_Eタイプのものは若干でも発生する筈です。スペーシアほど顕著でないにしろ、その場合に封止材に掛かる影響はどうなのでしょう?ひょっとすると経年変化の助長になっているかも知れませんね。
私はガラス質の封着材の信頼性を支持しますが真空ガラスが発売後もう10年過ぎて、そして20年過ぎてそして30年過ぎても性能維持できていれば、これはもうどんな有機封着のペアガラスも太刀打ち不可能になります。
私が真空ガラスに寄せる期待は封着材への耐候性等を過大な評価をしていますが、もう既に発売開始から15年以上が過ぎています。その期待が過大であるかそうでないかは今後の時間経過が証明してくれるのでしょう。