パッシブハウスと云う概念
昨日、日本板硝子のひのまるチェーン関西部会の大交流会に出席した。
関西管轄でのスペーシアの販売で昨年下半期のトップ10が表彰されたが、当店はランキング外で残念だった。同年上期は4位にランクインしていたので、少し悔しさもある。
交流会の式次第ではランキング発表の後、国策で進めている住宅の省エネ基準が本年1月に公布されたのに続き10月には施行される。
施行はされるものの現行制度との併用(経過措置)の期間が置かれ、完全に移行するのは2015年4月からであるが、これまでの制度と大幅に変わるので新築現場担当での省エネ対応に掛かる業務負担は少なくない様相だ。
これまでの省エネルギーの地域区分がⅠ~Ⅵの区分だったのに対し、新しい区分では1~8になっていて区分表記もローマ数字からアラビア数字に改められた。
それで先日当ブログ(茶筅の里、生駒市高山でスペーシア割れ替え補修)で触れた生駒市の地域区分は是正されたのかと気になって、制度仕組みの説明をしている日本板硝子の社員に質問をぶつけてみた処、隣接の奈良市と同じ区分ではなく少し厳しいものなので余り変わらない結果となっている。
これは生駒問題と云われて久しいが、前の区分けした行政(或は権威の存在)が過ちを認めたがらない結果なのかも知れない。
14年ぶりの基準変更はこれまでの住宅の省エネステージとは全く異なり、住宅における一次エネルギー換算の消費量を家電・照明・換気・給湯・冷暖房等の合計をジュール熱で計算表記しなければならない上に住宅外皮(屋根”天井”・外壁”窓”・床)のすべてが熱損失制御の対象となっている。
なので、新築の省エネ基準はこの先、移行期間を経てこれまでの経験則無用のメチャクチャなハードル越えに挑まねばならないだろう。
さて、省エネ新基準に気を奪われたが、これは本当はスゴいと感じたのはその後の(有)松尾設計室の松尾先生の‘パッシブハウス’講演だった。
パッシブと云う言葉は何となく聞いてはいたが、概念の詳細はこれまで知らなかったので如何に私を含め日本人の省エネに対する徹底さが低いものかが知らしめられた。
要として車の燃費のような指標が住宅にはなかったので、住宅での省エネの指標を決めれば認知されやすいと云う話から始って、諸外国と日本の現状比較では国際的な水準からはほど遠く低いレベルの日本の住宅における省エネ率が示され、建築の投資効率で外皮断熱と日射熱取得が基本的にどれよりも優先させるべきとのことだった。
一般に省エネを推進するのは電気製品であったり住宅建材であったりするが、単にそれらを導入するだけでなく、本当に効率的に設備し或いは施工される前提で日射熱の取得と遮熱の使い分けで信じられないほどの省エネが達成される。
住宅外皮の熱貫流率を徹底的に抑え、特に窓は断熱では癌となっているため、断熱はもちろん日射熱の取得と遮熱の制御をはるかに向上させねばならないと云うことだった。
ドイツの先進的な例を紹介され、目からウロコの落ちる思いがしたが、日本でも出来なくはない。それは国民の努力次第である。努力しなければ国富がエネルギー輸入にドンドン喰われて、且つ健康的でない住宅に住まいして最後には貧すれば窮するに到る。
しかし、南面の窓における日射取得と日射遮熱ののバランス次第でおおかたのパッシブによる恩恵が左右される様である。もちろん東西も北も遮熱を必要とする。(?北が遮熱、夏至あたりでは夕日がかなり北西に廻るため)
南面の窓を遮熱にするのは愚の骨頂とまでアホ扱いされていたのが印象的で、これまで窓の年間熱収支を考えていた私の論理と一緒だったので、私がアホでないと証明された様な気がしてウレシイ。
また松尾先生はこうも言っておられた。
再生エネルギーの導入で省エネを相殺しようと云う考えは間違っていて、そう云う意識をもって省エネと称すると断熱や日射取得によるパッシブ性能をなおざりにされるので、省エネパッシブと別にしなければならないし、現実のEUではそうされているとも。
復習の意味でまだまだあるが、キリがないのでこの辺にしておこう眠いし。
今回の省エネに共通しそうなブログ内ページ
あまりたくさんメタンハイドレートが出ると(投稿日: 2012/12/12)
http://www.hatadagls.com/e-log/save-energy/333.html
家庭の省エネエキスパート制度(投稿日: 2012/11/13)
http://www.hatadagls.com/e-log/save-energy/84.html
少し視点が違うが。
視点を変えて、エネルギー国富とは(投稿日: 2013/01/20)
http://www.hatadagls.com/e-log/anna-konna/396.html