静かな窓づくりの防音対策を考える

住宅の窓や出入り口の防音工事に関して。

最近は交通の発達や音響機器の大出力化によって住宅おける騒音環境もずいぶん変化して参りました。 事に昼間は気にならない自動車の排気音ならびに風切り音は夜になって周囲が静かになるほど気になります。

当店も府道にかぶりつきで建物がありますのでごたぶんにもれず夜中になればやはり自動車騒音がことのほか良く聞こえます。 また、閑静な住宅街であれば昼間ご子女の奏でる楽器類の音も周囲には騒音と聞こえる場合もあるようです。 そしてテレビの大型化に伴い音響システムのサラウンド化によるより大きい低音域の発生と云ったぐあいに、騒音のタネは外部からだけではなく、 気が付けば自宅がご近所に騒音を垂れ流している発生源になっていたりもします。

先ず住宅における防音対策や防音設備と言えば、防音サッシや防音ドアに代表される様に開口部の防音と騒音漏洩を思い浮かべるでしょう。
一般的に防音サッシは外部の音を25db程度下げる能力がありますが、最近の住宅用アルミサッシは各社製品で一部製品を除き、 JIS規格の遮音等級T-1(25)を満たしている事が多くあります。
ある意味では住宅用サッシで 特別に防音サッシを意識しないでもガラスの構成で外部からの侵入音を25db程度下げるようです。 しかし、遮音等級T-1(25)以上の性能を求める場合はサッシの選定をシビアにしないといけませんし、もう既にある古いサッシの場合は付加的に内窓を取り付けるか、 サッシを枠ごと取替えないと解決できません。

また、いくら窓サッシの防音性能がよいと言ってもガラスが単板で薄ければ音も通過します。 最低限でも単板なら6ミリ以上、より高い防音効果を求めますなら、異厚構成のペアガラスそして防音ガラスや真空ガラスを採用するべきです。 更にお部屋の換気口やなんかも音が侵入してくる経路になりますので、換気口の造りや向きを考えなくてはなりません。

RC住宅等はもともと壁体に質量がありますため、壁面からの外部騒音は通過しにくいので、窓ガラスを防音性のものに取替えることでかなり効果が上がります。
ところで、防音性に最も期待できないのが在来からの和風建築、つまり田舎建てと言われる住宅です。 現在では柱むき出しの土壁で外部の建具も木製といった田舎建ての建築がされることはなくなりましたが、 過去に建築されたそういった真壁造りの建物は窓の防音対策を施しても他の部分から音の進入経路を排除することに多大な努力を必要とします。

防音対策で抑制が難しいのは高音域よりも低音域そして重低音域で、これは空気の振動のみならず、あらゆる物を振動させて伝播し、 最終的に室内側の空気を振動させ音となって現れます。
これらの低音域の防音には空気の振動はもとより、建物の壁体振動や床振動を抑制または吸収させなくては音の伝播防止ができませんので、 住居全体について防音対策を練らなくてはなりませんし、同じ防音でも遮音と吸音の違いも意識しておきたいところです。



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