ガラス・建装時報の3/17・24合併号に載ってたYKKの真空ガラスを取り上げてみよう。
性能は真空+アルゴンのトリプル構成だが、なぜだか日本板硝子のスペーシア単体よりも熱貫流の値が悪い。これは??なのだ。当然ガラスだけの値ではないにしろ樹脂の熱貫流率はガラスに較べ二桁ほど性能がよいはずだから、窓全体の値としても殆どガラスの熱貫流率と見て良いだろう。(サッシの性能が激悪なら別だが、天下のYKKに限ってそんな事はあるまい。)
スペーシア21の遮熱タイプは熱貫流率0.8を、そして遮熱でないものでも0.9をカタログに謳ってある。
一方YYKのそれは1.9同じ真空+アルゴンのトリプルなのに、うーむどうなっているのだろうか?
そう云えば真空ガラス スペーシアは発売から15年経ち製法特許はもう既に切れている筈。
なのでYKKは独自に製造工場を立ち上げたのだろうか?
日本社の特許が切れたのでどこかが真似して製造販売するかとアンテナを張っても私にはその様な気配は感じなかった。
しかし、相手先ブランドの出荷というのもある。例として熱貫流率1を謳い、餡とか蜜の混ぜた和菓子名を冠した’○○○○プレミアム’とかがそうである。もっとも製造会社の新製品発表前にフライイング販売してたので仕入れ先を通じてメーカーに照会した事がある。
OEMだとしたらYKKのそれは熱貫流率の悪さが気になるので、解せない。
ところがLow_E膜を持たない真空ガラスFit+アルゴンならトリプルのクセしてこの様な中途半端な熱貫流率もアリになってくるから、納得はできる。
掲載されていた写真を見ると明らかに室内から室外を写したと見て取れるが、真空ガラス特有の保護キャップが右ではなく左にある。
これは一体どうした事だろうか?まさかガラスの装着で裏表を間違ったなんてとても恥ずかしいから新聞には載せないだろう。だとしたらOEMで意図的にそうした可能性がある。
または真似して製造したが保護キャップの位置まで真似るのは世界初の開発元から苦情が出そうだし、YKKがそこまで紛らわしい事を姑息に真似するとは思えない。
目新しい製品は私達ガラス屋に於いては気になる処だが、別にサッシ組み込みならガラス取替断熱を主体に進めている業態には全く関係のない世界である。
でも私の性は真空ガラスと云う響きがどうしても気になってしまう。
今度、気が向いたらOEMなのかどうかメーカーに聞いてみよう。