震災復興のシンボルとして2年前の9月に決定した世界でも例を見ない大規模な洋上風力発電所がこの11月に今年度の工事分として完成発電していた。
驚異の発電開始と題したのは、プロジェクトの進行している規模とスピードである。
政府の実証研究事業ではあるが、お上のプロジェクトで決定から一部稼働とは云え、2年で世界のトップに躍り出てしまったので、正直なところ日本の持つ底力を改めて見直している。
プロジェクトリーダーは丸紅で、参画しているのは大学から商社・重電・建設等、日本の有名どころが名を連ねているが、個別の企業群をまとめてすり合わせる努力は大変だろうと想像に難くない。
今年設置された浮体式風力発電の出力は2000Kwのもの一基であるが、来夏には7000Kwもの出力を誇る設備を二基設置するという。
来年2014年には三基合計16000Kwの洋上風力発電所が出現することになり、しかも洋上に変電設備も併設するのだとのことで、沖合約20Km先にあるウィンドファームで発電された電気は東北電力の火力発電所横の送電線に接続。
今年は中心気圧が960ヘクトパルカルの大きな台風がその建設海上付近を通過していたのにもかかわらず、びくともしていなかったという。台風時の海上の波高は9mとか12mだとか飛んでもない波浪であるし、風速も50mは超えているだろうに大したものである。
こういった世界初の快挙は必ずや次の産業へのステップアップに繋がり、世界中から熱いまなざしが注がれつつも、この事業ももはや世界的開発競争になっていることから、達成スピードの早さはシステムノウハウとして今後、日本の大きな財産になる事に期待を寄せ、完成を待つ。
少しでもエネルギー購入で消え失せる国富の流出を避けて欲しいとも思うし、エネルギーのカントリーリスクを避けていただきたいものである。