ペアガラスの内部結露

一昨日の当ブログで真空ガラスに付いている保護キャップのことで筋違いな電話の事を記述していたら、ついつい1年前の事を想い出してしまった。
それは北海道の人からで、まあ何と遠い所からと思ったのだが、別に電話だから日本語さえ通ずれば距離は関係ないのである。
電話の主は40過ぎかと思われる女性の方だった。

...もしもし畑田ガラス店です。
「あのぅペアガラスの中に結露して、ガラスとガラスの間の下にその水が溜まっているのですけど、直りますか?」
いえガラスとガラスのあいだに水の入ったペアガラスは直りませんね。取り替えるしか方法はありません。お客様はどちらからお掛けですか?
「北海道ですが、困っているのです。どこに言ったらいいか判らなくて.....。」
【内心ゲ、北海道?こりゃまた遠いな。しかし困っていそうだし電話のアドバイスくらいなら、まあいいか】
北海道ですかまた遠い所からの電話ですね。
業界内でウワサとして聞いたことがありますが、実際にその様な生々しい状態を耳にするのは初めてです。
それでですね。えーっとペアガラスでも今は確か有名国産メーカーは大体10年保証が付いていると思いますが、それぞれのメーカーが保証制度を開始してからの製品が対象ですので、新しい建物ならメーカー保証は大丈夫だと思いますよ。
因みに築年数は何年くらいでしょう?
「判らないですが、保証はされると言うことですか?」
【内心、判らないって、普通は自宅の築年数わかるでしょ】
築年数が判らなくては仕方ないのですが、この8年以内くらいなら可能性はあると思いますよ。因みにどこのメーカ品ですか?
「ペアガラスには日本板硝子と刻印されてます。」
日本板硝子ですか?それはしっかりしたメーカーなので、大丈夫でしょう。因みにメーカーにはお問い合せされましたか?
「いいえ、ホームページを見ていたらお宅が電話しやすそうだったので.....。」
【内心、おいこらしょっと、製造したメーカーか建てた建築屋に先に相談する話じゃないの】
それでは先ず建てられた工務店か建築屋で対応してもらうのが一番早いと思いますが、なんらかの事情で建築施工者との連絡がつかない場合はメーカーのお客様相談室に問い合わせると良いですよ。
メーカーに問い合わせる前にペアガラスの刻印記号を手元に控えておいた方が良いでしょう。
本当は築年数が判ればいいのですけどね。
一度、日本板硝子のお客様相談室に問い合わせる事をお奨めします。
ではいいですか?
「はい解りました。すみませんでした。」ガチャ、

やはりペアガラスに内部結露するウワサは本当だったのか、それにしても結露の水が溜まるなんて信じがたいけど、実際にあったのだ。
ペアガラスの封着材はポリサルファイド系かシリコーン系が使用されているようだが、実際の透湿を防いでいるのは湿気吸着剤を内蔵した角形状のアルミ筒に貼られたブチル接着材だと云うことである(ここでのアルミ筒はガラスとガラスに挟み込まれているもの)つまり、一次封着材がブチルゴムで実際には粘着質のもので接着とは少し形態が違う。
二次封着材はポリサルファイド系かシリコーン系であるが湿気の気密性をと云うよりはペアガラス全体の形状を支えるために充填されている。
これらの事から、ブチル接着層に剥離が発生し大気の出入りがあった場合、ペア内ガラスの表面温度と流入した空気の湿度の関係で内部結露に到る。
またサッシ障子のアルミで発生した結露水がガラスの小口を伝って流下するときにその剥離部分から侵入するのかも知れない。

当店のホームページにペアガラスの裏話を載せています。
http://www.hatadagls.com/garasu/peagarasu.html#pea_ura からどうぞ

spaciadesuyan の紹介

2012年11月開設のこのブログ主は1955年生まれのオッちゃんです。 1999年から続いている当店のWebページはhttp://www.hatadagls.com/で HTMLとPHPの併用ですべて自身で編集していますが、ホームページ運営も時代の変化について行けず そのため今じゃ陳腐化が否めません。 ブログは2004年以来の事で、当時は簡易なブログを開設したのですが、 連日多量のスパムリンクの書込みに閉口して、約半月で閉鎖以来ブログから遠ざかっていました。 取得した公的資格は、二級ガラス技能士・バルコニー施工・第二種電気工事士・PV施工技術者認定・家庭の省エネエキスパート・ガス機器設置スペシャリスト・足場の組み立て等作業主任者等、メーカー認定は真空ガラス スペーシア(日本板硝子)・窓シャッター電動化(ソムフィ)・SR工法工事士(三協立山アルミ)・ソーラー施工士(リクシルエナジー)その他等々、です。 趣味はガラスサンドブラストやレーザーマシンによる加工などがあります。 因みに創業は1982年9月で、かれこれ30年を越えました。
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