トラックに積載のネジや工具類を整理するため、収納ピッタリサイズの入れ物を作る必要から、現場残材のポリカを活用して箱を作りたいと思ったが、さてポリカを熱曲げする工具がないので自作する事に一念発起。
手持ちの100Vスピードコントローラで電球を調光してみたら明るくなったり暗くなったりしたので、これを使おうかと思った。
が、しかしよく見ると電流容量が500Wだったため、万一容量オーバーで潰れると困るので、調光器を別途導入する事になった。
Webで調べてみると容量の大きなものは8000円くらいであったが、自作キットなら40Aのものが800円であるではないか。
ムムッ、これはトライしてみるかと思い、58才を迎える年に人生で初めて電子基板に半導体素子やらをハンダ付けする事になった。
長男が2年前にギターアンプの自作をしていたので、半田ゴテや写真のようなクリップで基板を支持して虫眼鏡で見れる様な治具もある。
早速、息子から借りて自作開始。
初めてなので回路図が難解だ、しかも完成品の写真もない。
せめて写真でもあればどの素子がどの当りに来るのか見当つくが、やはりさっぱり解らない。
じっくり構えて注意深く回路図と記号を照合するとボンヤリと全体配置が見えてきたので、いざ組立開始。
配置チェックと接続方向を入念に確認しながら作業を進めるが、基板からリード線で取りだした別途の配線の部分等で、適当な手持ちの線が見あたらないため作業は中断となった。
後日、いろいろ自宅を探して適当な電線を見つけたが、鰐口クリップが付いている。そこでクリップを捨てて電線だけを基板配線に使った。
何となく完成している筈だが、検証したいが非常に自信がない。
100V電源投入するのが、正直怖い。ボンと火を噴くかも知れないと、戦々恐々で電源投入。
何事もなく出力ツマミを徐々に回していくと、感激の一瞬がやってきた。電極に繋いだニクロム線が徐々に赤熱していくではないか。
良かったー。失敗ではなかった。ちゃんと動作している。
次の工程ではニクロム線を収納するアルミパイプが要るが、あいにく手持ちのものは建材の丸パイプなのでこの工作物には太すぎる。
出来れば熱貫流の優れたアルミ材を使いたいところだが、ないため適当なステンレスの丸パイプを見つけて加工する事にした。
アルゴンを使って脚をTIG溶接することになったが、結果的にはステンレスの方が正解だった。
アルミは溶接が思うように出来ない事と、パイプのスパンが640㎜くらいあるので荷を掛けるとたわみが発生する事になり、そうなると熱の当たり具合が、当たる処と当たらないところがあるだろうと想像できるので、強度のあるステンレスが良かった。
ガラスチューブをニクロム線とステンレスパイプの間に介在させてステンレスを絶縁するが単純に一本だけだと信頼度が低いので、一本はチューブのまま使いさらに3本のチューブをハサミで螺旋に切って一本目のチューブの上から順に重ねて巻き付け、4重にした。
これでニクロムとステンレスの絶縁は安心できる。
さっそく、ポリカを曲げてみた。温度が高いのかステンレスパイプにポリカが融着してしまう。
出力ツマミを絞って、少し温度を下げる。ポリカをパイプに当ててみるがまだ溶けている様子だ。しかし基板のカバーを作りたいのでそれを曲げてカバーを作った。
一応、完成した。
これで工事残材のアクリルやポリカを曲げる事ができる。しかも巾が600ミリまで曲げ可能だ。やれやれ。
でもステンレスはアルミより温度上昇が遅い。そのぶん冷めるのも遅いので温度設定に少し時間が掛かりそうだが、出力状況を記録しておけば、次から楽であるはず。
次はステンパイプの温度を測るデジタル温度計の組立にトライだ。測定範囲が-200度~+1000度まで計測できるので、完成すると重宝するかも知れない。