河南町の総合体育館からの連絡で大型両開き扉の固定する落し棒が折損して扉の施錠ができないとの連絡がありまして、現場へ見に行くとフランス落しの落し棒が折れています。厳密には上の落し棒はネジが振動で廻って短くなり、長い間、全然動作していない様でした。
その状態で下のものが折れたため、扉は固定できず困った事になっていました。
現場の状態確認に行った際、上部のフランス落しはネジが自然に回転して締っていった事が原因で掛からなくなったのですが、この棒がまた長くて1.5メートルほどあります。
扉上部の穴から棒を出そうとするのですが、やたら長いために振れてなかなか出てきません。
時間が掛かるので扉の見込み側、つまり側面から穴を明けてから、落し棒を鍵型に曲げた針金で上部穴に誘導して出しました。
これでとりあえず扉は固定できますので、次に下の落し棒を取り外してみたら完全に折れていたのですが、折れた残りが保管されていましたので溶接して修理することにしました。
そうするのは取り寄せるより時間が早いのと、もっと強度アップが図れるからです。
この様にアルゴンガスを用いてTIG溶接で棒を修復しましたが、元々はパイプ状の棒で中が空洞だったため扉の大きさに対応した強度がなかったのかも知れないと思いました。(普通は折れませんが、とにかく扉がデカ過ぎるため風に煽られて閉まった拍子に偶々出ていた棒が下枠に激突して折れたのかも知れません。)
パイプの中に鉄棒を入れて溶接しましたのでメチャクチャ強くなっています。
ご覧のようにとてもデカイ扉で高さは3mを超えていたと思います。
丁番も普通の見慣れたタイプのものでなく、ピアノ丁番が取付けられていましたのでその一枚の扉重量は軽くても200Kgを超えているのではないかと感じましたが、何はともあれこの様なデカイ扉を取り外す事なく補修できたのはラッキーでした。
これを取り外すとなると5人くらいは必要になるでしょうから、体育館の管理されている方もほっとされたようです。