シェールガス技術を地熱発電に応用

以前、このブログで述べた”将来はエネルギーに恵まれた日本 http://www.hatadagls.com/e-log/anna-konna/471.html”で触れてなかった地熱発電に触れてみようと思う。この事を知ったのは”http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/38323″に掲載されていたのを読んだのが初めてだ。

従来型の地熱発電は立地条件が国立公園の中だったり温泉地だったりで、環境景観の問題や源泉が枯れる恐れなどで、開発にはハードルが高すぎる問題が多い。
しかし、その解説によると既存の地熱利用深度をさらに深くすると、環境景観問題の或は源泉が枯れるのではないかという問題がクリアできるというのだ。

現在アメリカで劇的な変化が現れているシェールガス採掘利用によるエネルギーコストの低下は、いずれ産業コスト格差に結びつき世界レベルで新たな競争力問題として発生するかも知れない。

がしかし、日本にはシェールガス層がないと悲観する事は不要、それは先のリンクで述べた海洋温度差のポテンシャルその他を考えると現在の技術でどれも不可能ではないと思うからだ。
開発の的となる高温地熱の存在する延性帯地層の深さは10Km以上のマグマの近くで、その深度なら世界中どこでも目的の地熱があるらしいが、火山地帯の日本列島は温泉地や国立公園でなくともどこでもマグマ近傍への深さが3~4Km程度で普遍しているとの事である。
深度が半分以下なので開発ハードルはずいぶん低くなるため他国に較べ利用しやすい。
(延性帯と云う地層は、流動しているマグマのすぐ上にある地層で、固体でありながら緩やかに流動している層の事とある。)

シェールガス技術を応用すれば地下3~4Kmの深さにある高温層に地上から高圧で注入した水を500度くらいの熱水で回収できるという。
500度の熱水と云うのは常温環境では見る事はできないが、想像するに高圧高熱の水蒸気の状態なのだろう。さらに高圧高熱の超臨界状態で回収できればタービンの発電効率が上がると信じる。

地下岩盤に高圧注水で岩盤を押し広げガスを回収する方法に較べ、注入した高圧水を高温にして回収する方法とはどちらも同じ技術利用だが、取りだしたエネルギーの使用方法が異なる。ガスは電気に変換するには発電のプロセスが必要でそこでエネルギー損失が発生するが、地熱発電は掘削井戸と同体の設備とすると損失が少ない。
またガスはいずれ枯渇するが、地熱はマグマ近傍から取り出す限り熱エネルギーの枯渇はあり得ない。

こうした技術利用には地震を誘発するのでは?とか地下水脈の移動が起こるのではないかとも考えがちだが、案外そうでもないらしい。
それを記述したページがあったのでリンクしておく”http://www2.jpgu.org/meeting/2013/session/PDF/S-MP47/SMP47-P01.pdf”
附随して言うならば、石油やガスのように山を張って掘り当てるのではなく、どこを掘っても延性帯は必ずあるので外れはない。しかも日本は比較的浅いところに存在しているのだ。
掘削でのハズレがないことは投下資本にリスクが少なくなる。またコスト的には難易度の高い技術使用からコスト高と思えるがハズレがない事により、従来型の地熱発電とほとんどコストは変わらないのだと云う。

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